【保存版】Obsidian×Claude Skillsで第二の脳を「勝手に」構築する方法
あなたに正直に聞く
Slackを開いたら未読で溢れている。 どこかに自分宛のメッセージが混じってるけど、流れて消えた。
Claudeを開くたびに「私はこういう仕事をしていて、この案件を抱えていて…」と5分かけて説明し直している。
Obsidianを入れてみたけど、6ヶ月経ってもただのメモ置き場になっている。
これ、全部「AIをGoogleの代わりに使っている」ことが原因だ。
今日はその構造を壊す話をする。
なぜ情報は死蔵されるのか
原因はシンプルだ。
私たちはAIを「問いを投げて、答えが返ってきて、タブを閉じる」装置として使っている。
この使い方では、どれだけObsidianを整えても、どれだけフォルダを作っても、情報は腐る。
タブを閉じた瞬間に記憶がリセットされる設計のままだからだ。
Karpathyが示した「もう1つの使い方」
元OpenAI共同創業者で、Tesla AIのディレクターだったAndrej Karpathyが面白いことを言っている。
「LLMに、雑多な素材を構造化するコンパイラと、蓄積された知識を横断引用する図書館係の役割を持たせると本領が出る」
チャット画面で問答するのをやめて、ファイルシステムの上で読み書きさせる。これだけでAIの効き方が時間軸で変わる。
フォルダは3つで足りる
ここが一番の意外性だ。
~/Vault/
├── raw/ ← 整理しない。リネームしない。ただ放り込む
├── wiki/ ← AIが書く。人間は読むだけ
└── reports/ ← 問いへの答えがここに溜まる
以上。
「フォルダ階層を細かく設計しようとした人ほどObsidianを2週間で挫折する」とKarpathyは言っている。心当たりがある人は多いはずだ。
仕組みはこう動く
Step 1: rawに放り込む(整理は禁止)
議事録、Slackの重要発言、商談メモ、PDFの資料。 全部raw/に入れる。フォルダは作らない。リネームもしない。
Obsidian Web Clipperを使えば、ブラウザから1クリックでraw/に飛ばせる。
週20〜30件の素材が溜まり始めれば、次のステップが動き出す。
Step 2: AIにwikiを書かせる
raw/に素材が溜まったら、Claude Codeに一言言う。
/kb-compile
これだけだ。
Claudeがraw/を全部読んで、繰り返し出てくる概念ごとにwiki/の下にマークダウンファイルを生成する。
「クライアントAの意思決定軸」「競合Xのポジショニング」「2026Q3の論点整理」など、自分の業務文脈でページが育ち始める。
人間は書かない。読むのが仕事。
Step 3: ObsidianをIDEとして使う
グラフビューを開くと、自分の知識のクラスターと「まだ埋まっていない穴」が視覚的に見える。
ここで「あ、この概念が繋がってないな」と気づく。それだけでいい。
Step 4: Vaultの上で問いを立てる
wiki/が50〜100ページに育ったら、本番だ。
/kb-report 「クライアントAの今期の論点を、過去3ヶ月の議事録と競合分析を踏まえて出して」
裏側でClaudeがwiki/を横断的に読み、reports/以下に答えのマークダウンファイルを書く。出典としてどのwikiページを使ったかもリンクで残る。
チャット履歴に流れて消える回答ではなく、Vaultの中に資産として積み上がる回答になる。
Step 5: 答えは必ずファイルに
ここが習慣のキモだ。
Claudeに問うときは必ず「ファイルとして答えて」と指示する。
reports/に書かれたファイルは、次の問いの素材になる。問いを重ねるたびに、未来の答えが速くなる。
Step 6: 週次でVaultを健康診断する
/kb-lint
週に1回これを実行すると、Claudeがwiki/全体をスキャンして矛盾・重複・欠落をリストアップする。
wiki/issues.mdに「同じ概念が2ページに違う定義で書かれています」「この固有名詞が3ファイルに出てくるのに専用ページがない」と書いてくれる。
整理するのはClaudeで、人間は週次で確認するだけ。
複利の正体はここにある
ほとんどの解説は「Vaultを作る」「Skillsを入れる」で終わる。
でも本当に差がつくのはStep 6だ。
- ただ追加し続けるVaultは、時間と共に腐る
- 追加と整理を両輪で回すVaultは、時間と共に賢くなる
同じClaudeを使っていても、週次Health Checkを持っているかどうかで、半年後のVaultは別物になる。
Claude Skillsとは何か
SKILL.mdという設計書に「いつ・何を・どうやるか」を書いておくと、毎回同じプロンプトを書き直す手間が消える。
最初に入れるべきは3本だけ。
| Skill | 役割 |
|---|---|
| kb-compile | raw/を読んでwiki/を生成 |
| kb-report | wiki/を読んで問いに答える |
| kb-lint | 週次でVaultの矛盾・欠落をスキャン |
一度書けば、Claude CodeでもWebのClaudeでもAPI経由でも同じように動く。
さらに一歩進むならMCP for Obsidian
MCP(Model Context Protocol)for Obsidianを入れると、ClaudeがチャットからVaultに直接書き込めるようになる。
設定はclaude_desktop_config.jsonに1ブロック追記するだけで完了する。
「先週のクライアントコールのメモを全部探して、論点を3つに整理して新しいファイルを作って」と言えばそのまま実行される。
時間軸でイメージする
- 1ヶ月後: wiki 30〜50ページ。過去の問いと答えが引用され始める
- 3ヶ月後: 業務固有のニュアンスを持った答えが返ってくる。隣に詳しい人が座っている感覚
- 12ヶ月後: 100〜300ページ。Karpathy自身の実例では1テーマで約40万語に到達。博士論文より長い量を、本人が1ワードも書かずに
今週末にやること
初日(2〜3時間)
- Obsidianをインストール(obsidian.md)
- Obsidian Web Clipperをブラウザに入れる
- raw / wiki / reportsの3フォルダを作る
- 業務メモや議事録を20〜30件、raw/に放り込む
mkdir -p ~/Vault/{raw,wiki,reports}
mkdir -p ~/Vault/.claude/skills/{kb-compile,kb-report,kb-lint}
touch ~/Vault/CLAUDE.md
2日目(1〜2時間)
- CLAUDE.mdに自分の業務ドメインを書く
- kb-compileとkb-reportのSKILL.mdを配置
/kb-compileを実行してwiki/の初版を生成/kb-reportで最初の問いを立てる
これで動き出す。
まとめ
- AIを「賢いGoogle」として使うのをやめる
- raw/wiki/reportsの3フォルダ + CLAUDE.md + SKILL.md 3本が最小構成
- 人間はraw/に放り込むだけ。書くのはAIの仕事
- 複利の正体は週次のLLM Health Check(kb-lint)
- 今週末は3フォルダ作成とWeb Clipperだけで十分
参考: Andrej Karpathy(元OpenAI / Tesla AI)× 独自運用知見 このブログ自体、ObsidianのVaultとClaude Skillsを使って管理・生成しています
よくある質問
- Obsidianのフォルダは何個必要ですか?
- raw(整理せず放り込む)、wiki(AIが書く)、reports(問いへの答えが溜まる)の3つで足ります。階層を細かく設計しようとした人ほど挫折しやすいので、最初は3フォルダだけで始めるのが正解です。
- Claude Skillsとは何ですか?
- SKILL.mdという設計書に「いつ・何を・どうやるか」を書いておく仕組みです。毎回同じプロンプトを書き直す手間が消え、Claude CodeでもWeb版でもAPI経由でも同じように動きます。最初はkb-compile・kb-report・kb-lintの3本だけで十分です。
- 効果が出るまでどのくらいかかりますか?
- 1ヶ月でwiki30〜50ページ、3ヶ月で業務固有のニュアンスを持った答えが返り始めます。Karpathyの実例では12ヶ月で1テーマ約40万語に到達しています。人間は1ワードも書かずにです。